地上型レーザー(TLS)について

2023-09-01

先日、測量部にて新型のTLSの試験観測を実施して、点群解析作業を行い、従来の方法と

比較しましたのでご報告させていただきます。

 

〇作業概要

作業箇所:小学校

作業内容:基準点測量、現地測量、仮BM設置測量、メッシュ測量

従来の作業日数:現地測量5日×3人、メッシュ測量3日×3人

TLSの作業日数:TLS観測3日×3人(機器操作に慣れれば2人で可能)

従来の観測点数:約2000点

TLSの観測点数:約8000万点

本業務は学校敷地内の現況測量・メッシュ測量を従来観測のTS、電子レベル、オートレベルを用いて行

い併用して新型TLSの試験観測を行い、従来手法との比較を実施いたしました。

 

〇TLSのメリット

・作業効率化

作業概要で記載した通り、現場作業においての日数(人工)を削減する事ができ、本業務

の場合では発注者より事前に路線線形やメッシュ点の指定がなくても点群データで面的に観測を行うた

め、TLSの観測を一度行えば基本的には追加の観測が不要となる。

従来:現地測量→平面図作成→メッシュ点決定→メッシュ測量→メッシュ図作成

TLS:TLS観測→平面図作成・メッシュ点決定・メッシュ図作成

・安全性向上

本業務地では、擁壁等の計測があり従来手法では作業員がプリズムを立てに擁壁の昇り

降りを行っていたが、視通の確保が行えれば高所作業等を削減することができる。基本的

には、機械設置し計測のセッティング(後視点の観測)をする作業のみのため、安全に作

業が行えるものと思われる。

・膨大なデータ量

これまでは、作業員が目視で計測の有無を判断していたため、観測ミス等が少なからず

発生していた。また後ほど発注者より構造物の高さを確認された際には二次元計測にて

行っていたため、現地にて補測作業を行う事もあった。TLSによる点群データでは、機械

から視通が確保されている全地形が点群データとして蓄積されるため、事前の観測計画を

綿密に行う事で観測ミス・欠測を減らす事が可能となる。

また、構造物(本業務地では学校校舎)の高さ(何階建てか)が分かるとともに、窓や外壁に設置され

ている配管の形状・位置まで点群データとし記録することができる。

 

〇TLSのデメリット

・データ解析時間

膨大なデータを一度に観測ができることがメリットである反面、データ量が多いために

解析作業に時間を要してしまう。従来であれば作業員が必要な点を現地で選別し観測を行

うが、TLSについては不要な点も計測するため、内業で選別をする必要がある。

また、一定以上の性能があるパソコンでないと処理することができなくなってしまう。

・観測可能範囲

TLSの観測可能範囲について、構造物の裏側や計測範囲外は観測が行えないため、現地

踏査及び既存の地図(グーグルマップ)等を用いて計画を行わないと計測漏れの区域が発

生する。起伏の少ない道路やグラウンドでは補間作業でデータを補充することが可能だが

起伏の激しい箇所や構造物に対しての補間は困難であるため、作業順序・観測順序を

適切に計画することが重要となる。

・コスト面

今後、三次元計測を活用していくにあたりPC・三次元解析ソフト等の周辺機器が高額

となるため、部内においての活用方法を検討していく必要がある。現在は三次元解析が対応可能となっ

ているPCが少ないため、活用状況を判断して三次元解析が可能なPC等の設備投資が必要となる。

 

上記で記載したメリット・デメリットは今回で感じたことであるため、今後の作業によりデメリットの

データ解析や観測範囲については対応していき、解消する事が可能だと思います。

 

以前に導入したBLK360と比較いたしますと、機械点にTLSを設置することができるため、精度向上と

ともに内業によるデータ解析が大幅に削減されました。また、TSと一体型のため必要に応じて開放点の

設置が行え、作業効率が大幅に良くなりました。

BLK360では測量機器検定の取得対象外となっていましたが、本機器では測量機器検定の対象のため、

業務計画に記載し主用機種として活用していけるようになるかと思います。

 

今回の作業では初期設定の関係上、スキャン計測のみ行い写真観測を行っていないため、点群解析作業

時に国土地理院地図からRGB色を参照する形で作成を行いました。その為、少しRGB色が荒くなってい

るかと思いますが、スキャナー+写真観測を行えば鮮明な点群になるかと思います。

 

 測量部 中山

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